“クラウド(cloud)”とは「雲」のことで、この「雲」はインターネットを意味しています。
インターネットは、パソコンの向こう側にあり、そして、見えない世界でコンピュータが動いているので、あたかも、空の”雲(cloud)”のようなイメージだということです。
もう少し具体的に言うと、クラウドとは、従来、パソコンで実施していたメール、データ保管、画像編集などのソフト機能を、インターネットで実現したものです。サービスはブラウザで利用し、作成したデータもインターネットに保管します。
代表的なものには、GmailなどのWebメール、Dropboxなどのオンラインストレージがあります。
”クラウド”を整理すると、次のように考えたらよいです。
①クラウド(cloud)は「雲」のこと、「雲」はインターネットの意味
②インターネットでソフト機能を提供し、データもインターネット上に保管
③インターネット上のデータは、パソコン、スマートフォンなどで利用可能
クラウドでこれまでのパソコン利用が大きく変化(ソフト機能は、ほとんどがインターネットの中)
■クラウドという言葉は2006年に生まれた
なお、「クラウドコンピューティング」という言葉自体は、2006年8月、当時グーグルCEOのエリック・シュミット氏が、米・カリフォルニアで開かれた「サーチエンジン戦略会議」の中で、
『ブラウザの種類も、アクセス手段も、パソコンかマックか、携帯電話かも無関係です。“雲(クラウド)”のような、巨大なインターネットにアクセスすれば、その利益、恵みの雨を受けられる時代になっています』
という発言を受けて生まれたと言われています。
これからは、”インターネットにつながった全てのコンピュータを、自分のコンピュータとして活用する時代”というのが、上記のエリックシュミットCEOの言葉だと思います。
また、パソコンやスマートフォンでインターネットに接続すれば、ショッピング、映画、TV、音楽、インターネットバンキングなど、現実のあらゆるサービスがインターネットで受けられる、それがクラウドだと考えて良いと思います。
■クラウド―すべてのコンピュータ資源は「あちら側」に
クラウド(クラウドコンピューティング)に関して、良くまとまった説明があったので紹介します。
『CPU、ネットワーク、サーバー、アプリケーションソフトウェア、ストレージ、データベースなどあらゆるコンピュータ資源は、『ウェブ進化論』で梅田さんが言われた「あちら側」に移動していくことになりそうだ。それらの移動が完了した時点で、ユーザーはハードの買い替え、ソフトのバージョンアップ、ファイルのバックアップなどの煩わしい作業から開放され、真にユーザーとしての視点で利用に集中できるようになるだろう。それこそが、ユビキタスの始まりと言えるように思う。』
出典:[ネットビジネスでおさえておきたいトピックを紹介]ネットの風を読む
2008年3月19日 井芹 昌信(All-in-One INTERNET magazine 2.0発行人)
http://i.impressrd.jp/e/2008/03/19/411
■ユビキタス(ubiquitous)
インターネットが普及し始めた1990年代によく使われた用語に、この「ユビキタス」があります。クラウド時代になった今、まさに、この言葉が意味していた状態になりました。
「ユビキタス」とは、ラテン語で、「いつでも」「どこでも」、あるいは「いたるところに存在する」という意味です。通常、コンピュータがあらゆるものに組込まれ、全てのコンピュータがつながっていることを言います。
なお、ユビキタスを使った言葉には下記の2つの意味があります。
(1) あらゆるものにコンピュータが存在 →ユビキタスコンピューティング
(2) あらゆるものがネットワークと接続 →ユビキタスネットワーク