SIMカード(Subscriber Identity Module Card)にはそれぞれに固有の番号が割り振られていて、それを端末に装着して初めて、各端末が誰のものなのかを特定できるようになります。
スマートフォンや携帯電話にとって、SIMカードはいわば身分証明書のようなものです。
SIMカードには、携帯電話番号と対応した固有のIDが組み込まれています。平たく言うと「誰の携帯電話として使うか」を決めるキー(鍵)のようなもの。
SIMカードの中には、携帯電話事業者のネットワークに接続するために必要な情報が記録されています。具体的には、「IMSI」、「MSISDN」、「ICCID」の3つ。
「IMSI」は、ユーザーに割り当てられる15桁の識別番号
「MSISDN」は携帯番号で通常15桁以内
「ICCID」はSIMカード自身のシリアルナンバーで19桁もしくは20桁。
データ通信や音声通話するには、このSIMカードがなくてはなりません。 SIMカードには電話番号など契約者情報が記録されており、利用者を特定する役割も果たしています。
格安SIMを取り扱っている事業者は、一般的にMVNOと言われています。
これは、NTTドコモやKDDIといった通信事業者の通信網を利用して、通信サービスを提供する事業者のこと。
つまり、MVNOは自社では通信網設備を持たずに、NTTドコモやKDDIなどの通信事業者の通信網を借りて通信サービスを提供している企業、ということです。
■格安SIMとは
ここで気になる「格安SIM」はどうして安いのでしょう。これは、「通信速度」と「通信量」が関係しています。
例えばNTTドコモやKDDIの場合、利用者は、1カ月の間に利用出来る通信料を決め、その通信量を超えるまでは、光回線なみの高速通信を利用することができるようになります。
MVNOが提供する格安SIMの場合は、「通信速度」もしくは「高速通信できる通信量」のどちらか、または両方を抑えることで、安く提供しています。つまり、制限を加えることで安い料金を実現しているのです。
■SIMフリー端末とは
2013年頃から、格安SIMと合わせて「SIMフリー端末」と呼ばれるスマートフォンやタブレットが増えています。
この「SIMフリー」というのは、そもそも「SIMロック」の無いスマートフォンやタブレットのことを指します。
「SIMロック」というのは、携帯会社が提供しているSIMカード、または特定のサービス専用SIMカードしか認識させないようにロックをかけることです。
それに対して「SIMフリー」は、さまざまな通信会社のSIMカードで、通信サービスを受けられるものを指します。
SIMフリー端末であれば、格安SIMが使えるようになる他、海外への旅行や出張時に現地の安価なSIMカードを入れて利用する、といった使い方もできます。