無線LANルーター(Wi-Fiルーター)には、複数のチャンネル(ラジオの周波数の感じ)を持っており、使い分けることができます。
無線LANルーターのチャンネルを示すのが”SSID”。この”SSID”を指定することで、無線LANが使えるようになります。
もし、うまく無線LANが使えないときは、この"SSID”を変更することで、使える状態になることがあります。
例えば、私の自宅の無線LANルーターの場合は、以下のSSIDを持っています。
SSID1( 5GHz)= *****-*****-a
ネットワーク認証方式=WPA2 暗号化キー:○○○○○○
SSID2(2.4GHz)= *****-*****-g
ネットワーク認証方式=WPA2 暗号化キー:○○○○○○
SSID3(2.4GHz)= *****-*****-g
ネットワーク認証方式=WEP 暗号化キー:○○○○○○
Wi-Fiが接続できないときは、無線LANルーターが持っている、別なSSIDに変更すると使える場合があります。
■SSIDとは何か?
SSIDは Service Set ID と呼ばれ、Wi-Fi(無線LAN)に付けられた名前(ID)で、通常、無線LANルーターには、複数のSSIDを持っています。
Wi-Fiに接続するときは、【SSIDと暗号化キー】を指定して接続します。
なお、無線LAN(Wi-Fi)に関する基本的な用語を以下に説明しています。参考にして下さい。
無線LANって何?、Wi-Fiとは? 無線LAN/Wi-Fiの重要な用語を紹介 https://netyougo.hatenablog.com/entry/2018/10/18/180420
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SSIDの使い分け
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通常は下記のようになっています。
SSIDの最後が“・・・a”となっているのは、5GHzで家電製品の影響を受けにくい、
SSIDの最後が“・・・g”となっているのは、2.4GHzで障害物の影響を受けにくい
そのため、
家電製品が近い場合は、“・・・a”のSSIDを、
ルーターが遠い場合は、“・・・g”のSSIDを、使うと良いですね。
Wi-Fiがうまくつながらない、又は、速度が遅い場合は、SSIDを切替えてみてください。
詳しい説明は後述しますが、例えば、以下のようなSSIDの場合、使い分けは以下になります。
①SSID1( 5GHz)= *****-*****-a ※通常、SSIDの最後が“a”
ネットワーク認証方式=WPA2 暗号化キー:○○○○○○
②SSID2(2.4GHz)= *****-*****-g ※通常、SSIDの最後が“g”
ネットワーク認証方式=WPA2 暗号化キー:○○○○○○
③SSID3(2.4GHz)= *****-*****-g ※通常、SSIDの最後が“g”
ネットワーク認証方式=WEP 暗号化キー:○○○○○○
①使用機器が家電製品の近くに有る場合
→家電製品の影響を受けない、「5GHz」のSSID1
②使用機器がルーターから遠い場合
→障害物の影響を受けない、「2.4GHz」のSSID2、SSID3
ただし、SSID3は暗号化(WEP)が弱く、使わない方が良い!
SSID1、SSID2は“WPA2”(暗号化が強く、盗聴に強い)なので問題有りません。
SSID3は“WEP”(暗号化が弱く、盗聴に弱い)になっており、SSID3は使用しない方が良いです。
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SSIDの“5GHz”、“2.4GHz”の違いとは?
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Wi-Fiは、TV、ラジオ、電子レンジなどと同じ、無線(電波)を使って通信していますが、実は、Wi-Fiには、”5GHz”と”2.4GHz”という、2つの無線(電波)を持っています。
5GHz・・・周波数が高く(小さな波のイメージ)、電子レンジなどの家電製品の影響は受けませんが、障害物による影響を受けやすい。
2.4GHz・・周波数が低く(大きな波のイメージ)、障害物に強いですが、電子レンジなど家電製品の影響を受けやすい。
少し分かりづらいですが、使い分けは以下になります。
①使用機器が家電製品の近くに有る場合 →5GHzのWi-Fi (SSIDの最後が“a”)
・・・・家電製品の影響を受けない、5GHzのWi-Fiを利用
②使用機器がルーターから遠い場合 →2.4GHzのWi-Fi (SSIDの最後が“g”)
・・・・障害物の影響を受けない、2.4GHzのWi-Fiを利用
(注)SSIDの5GHz/2.4GHzの見分け方
通常、SSIDの最後が“a”となっているのが”5GHz“、最後が“g” となっているのが”2.4GHz“のタイプです。SSIDやパスワードは、通常、機器本体の底面・背面に貼られたラベルに記載されています。
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SSIDの“ネットワーク認証方式(暗号化方式)”の違いとは?
~“WEP”、”WPA”、“WPA2”、”WPA3”
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SSIDには”5GHz”と”2.4GHz”という違い以外に、もう一つ大きな違いがあります。それが、ネットワーク認証方式(暗号化方式)です。
Wi-Fiは無線なので、通信する場合、盗聴されても安全なように暗号化しています。この暗号化の種類が“ネットワーク認証方式”の違いです。
この“ネットワーク認証方式”には以下がありますが、安全な“WPA2”、”WPA3”を使うことが大事です。“WEP”、”WPA”は、古い暗号化なので、使うことを避けてください。
X WEP →古い暗号化方式で、すぐに見破られる
Δ WPA → やや強い暗号化方式だが、それでも不安
〇 WPA2 → 強い暗号化方式で、安心して使える
〇 WPA3 → 最も強い暗号化方式で、安心して使える
下の方ほど新しい暗号化方式です。解読されるたびに、新しい暗号化方式が発表されています。
(注)”WPA2”は、2017年に第三者がデータを傍聴できる脆弱性が発見され、解読される危険性があり、よりセキュリティを強固にした”WPA3”が発表され使われるようになっています。
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無線LAN(Wi-Fi)の種類
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”5GHz”、”2.4GHz”という2つの無線(電波)を使っていますが、以下の種類があります。
①11b・・・最大速度は11Mbps(周波数帯域2.4GHz)
壁などの障害物に強いですが、電子レンジなどと同じ電波を利用するため、家電製品を使っていると接続できなくなる場合があります。
②11g・・・最大速度は54Mbps(周波数帯域2.4GHz)
11bと同じ電波を使っていますが、11bよりも高速です。ただし、11bと同様に、家電製品を使っていると接続できなくなる場合があります。
③11a・・・最大速度は54Mbps(周波数帯域5.2GHz)
電子レンジなどの家電製品の影響は受けませんが、障害物による影響を受けやすい欠点があります。
④11n・・・速度は300Mbps~450Mbps(周波数帯域2.4GH、5.2GHzの両方を使用)
障害物があっても高い安定性を持つなど多くの利点があります。5.2GHz帯を使用すれば、電子レンジなどによる干渉もありません。
⑤11ac・・・速度は433Mbps~約7Gbpsの高速データ通信(周波数帯域5GHz)
アンテナを複数使用して通信帯域を拡張するMIMO(Multiple Input Multiple Output)を駆使し、高速データ通信を可能にしています。
[補足]無線LAN規格まとめ *2018年9月段階
2.4GHz帯は、家庭用の機器で低出力の電波を出すものであれば免許不要で利用できるため、電子レンジやリモコン、玩具、Bluetoothデバイスなど、様々な機器に利用されています。これらの電波と無線LANが混在する環境では電波干渉が起こりやすく、通信速度が大幅に低下する場合もあります。
5GHz帯は、家庭用としては無線LAN機器しか利用できず、2.4GHz帯より電波干渉が少なく有利とされています。
規格名(規格上の最大速度)・・・利用周波数帯
11a(54Mビット/秒)・・・5GHz
11b(11Mビット/秒)・・・2.4GHz
11g(54Mビット/秒)・・・2.4GHz
11n(600Mビット/秒)・・・2.4GHz/5GHz
11ac(6.93Gビット/秒)・・・5GHz
11ad(6.7Gビット/秒)・・・60GHz
11ax(9.6Gビット/秒)・・・2.4GHz/5GHz