著作権と聞いただけで「エッ、難しそう!」「面倒くさい!」となりませんか?
普段の生活では、あまり意識しない「著作権」、実は、ネット活用時には著作権が大事。ブログ、SNSで情報発信する場合、著作権が関係します。
日常の生活では、人が作った文書や画像を使用するにしても、ほとんどが「私的使用」の狭い範囲なので、特別な問題はありません(会社や学校などの使用は関係ありますが)。
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私的使用を目的としたものであれば著作権は問題なし *ネット公開は当てはまらない
著作権には、「私的使用のためであれば、著作者の許諾がなくても複製することができる(30条)」とあります。
「私的使用」とは、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内における使用をいい、私的使用を目的としたもの。
①「個人的に」とは、複製物を個人の趣味や教養のために使用すること。
②「家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」とは、相互に強い個人的結合関係のある少人数の集団を前提としています。
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インターネットでの情報発信時には著作権が関係します!!
ところが、インターネットでの情報発信は、「不特定の人」又は「特定多数の人」に情報発信するので、「私的目的」にあたらず、「著作権」が大いに関係します。
そのため、ホームページ、ブログ、Twitterの情報発信は著作権が関与、また、FacebookなどのSNSや、メーリングリストなども「特定多数の人」になり著作権が関与し、注意が必要です。
閉鎖的なSNSのグループの場合(例えばLINEのグループ)でも、相互に強い個人的結合関係でなければ、私的目的の範囲を越え、著作権が問題になります。
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著作権に違反すると、懲役または罰金 *窃盗罪より重い罰則
基本的にインターネットでの情報発信には著作権が関わってきます。
そのため、他人が作った画像、文章、音楽データ等は、作成者(著作権者)のもので、「著作権法」で守られていますので、勝手に利用できません。
もし、ブログ、ホームページ、Twitter、FacebookなどのSNSに、他人が作成した文書や画像を勝手に利用し、著作権を侵害した場合(著作権法に違反した場合)
最悪「10年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金」のように重い罰則が科せられます。
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他人の記事や画像の利用時には注意!! また、他人が写った写真の公開もNG
新聞や雑誌、インターネットに公開されている記事をそのまま利用し、自分の文書のように投稿するのは、当然”著作権違反”になるので注意下さい。
また、フリー画像で「利用は自由に!」とあっても、中には、画像の大きさを変更しないでという”利用時の注意事項”がある場合があります。利用条件は必ず見ましょう。
また、著作権以外に気をつけるものに「肖像権(しょうぞうけん)」、「パブリシティ権」というのがあり、他人が写った写真を勝手に公開したり、タレント等の有名人が写った写真を公開することは禁じられています。
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他人の文章を使う場合は「引用」で 自分の文章が主で、他人の文書は従
他の人の文章は、”引用”であれば利用しても良いという内容が著作権法には規定されています。
他人の文章を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には、以下の事項に注意しなければなりません。
(1) 主従関係 自分の著作が主で、引用される著作が従であること。量的にも質的にも自分の著作が主であることが必要。
(2) 必然性があり最小限度 引用が自分の著作に不可欠であり、かつ必要最小限度の引用であること。
(3) 明瞭区分性 かぎ括弧をつけるなど,「自分の著作物」と「引用部分」とを明確に区別すること。
(4) 出所、著作者名の明記 引用する著作物の書名、著作者名などを明記し、出所が明確に分かること。
例)本からの引用の場合・・・“『書名』著者名、発行所名、発行年、引用ページ”のように記述
ホームページからの引用の場合・・・“ホームページ名(制作者)、URL”を記述する。
(5) 引用部分の同一性保持権 引用する場合に、原文そのままで引用すること。なお、途中を省略する場合は“(中略)”などと明記する。
≪補足≫「著作権法」のポイントを簡単にまとめました
著作権を理解するときのポイントをまとめてみたいと思います。著作権は、私達の日常生活のあらゆる事態を想定して考えられています。
そのため、時代とともに、何度も改正され、最近は、インターネットなどのIT技術が大幅に進歩したことにより、著作権法の中にもインターネットに関する記述が増えてきました。
なお、著作権法には「これは・・・の権利です」のような権利内容の他に、「この場合は例外で、利用しても良いですよ」という内容もしっかり書かれています。
「頑固親父だけど、実は優しい」というのが、著作権法に対しての私の印象です。
なお、最新の著作権法は、以下を参照下さい。
著作権法 | e-Gov法令検索
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048
1. 人が個性的に表現したものを”著作物”といいます。
2. 著作物をつくった人を”著作者”といいます。
3. 著作者は、その著作物の利用を独占する権利”著作財産権”を持っています(通常、これが”著作権”)。
”著作権”の中には、様々な権利がありますが、例えば、
文章や画像などの著作物について、勝手にコピーして公開してはいけないという”複製権”
があります。
4 著作者には、著作者の人格を守るために”著作者人格権”という権利も認められています。
”著作者人格権”の一つに、勝手に改変(変形など)してはいけないという“同一性保持権”があります。
5. 著作物を作った人は「著作者」で、著作物を利用する権利(著作権)を持った人は「著作権者」と言われます。通常は同じ人ですが、異なる場合もあります。
6. 著作物を利用したいときには、著作権を持っている人から利用の許諾を貰う必要があります。
なお、文書の場合、”引用”であれば利用しても良いとなっています(引用条件を守って下さい)。また、フリーな画像は利用しても問題有りませんが、利用条件がういている場合があります。利用条件をしっかり見ましょう。
7. 他人の著作物を勝手に利用することは著作権の侵害であり、損害賠償、侵害の停止・予防に必要な措置を請求されることがあります。
8. 著作権を侵害すると罰金と刑罰が科されることがあります。
9. 例外として、著作物を利用できる場合があります。例えば、「個人・家族内などの私的利用範囲」での利用、試験問題での利用、図書館でのコピーなどは利用することは可能です。
10. 著作権には寿命があり、原則として著作者が亡くなってから50年で権利が消滅します(ただし、映画は公開後70年)。
11. 実演家やレコード製作者、放送事業者、有線事業者には著作隣接権という権利があり、著作権に準じる保護を受けています。
12. 実演家には、実演家の人格を守るために”実演家人格権”という権利も認められています。