ネット情報、たくさん見ているから最新で正確な情報・・・と思いがちです。
でも、実際は自分に都合の良い情報をたくさん見ており、偏りがちになるので注意が必要です。自分とは違った意見にも寛容性を持ち、情報の多様性を増やすことが大切。
ネット情報には、自分に都合の良い情報を見がちな傾向があります。それが、「確証バイアス」「フィルターバブル」「エコーチェンバー」と呼ばれるものです。
都合の良い情報ばかりを無意識的に集めてしまう「確証バイアス」
「確証バイアス」とは、自分にとって都合の良い情報ばかりを無意識的に集めてしまう傾向のことをいいます。
人には無意識に自分を正当化したいという心理があり、自分の思い込みや信じたいことを強化する内容につい深入りしてしまうと言われています。
先入観や思い込みによって合理的ではない判断をしてしまうことを「認知バイアス」といいますが、確証バイアスは認知バイアスの一つに該当します。
「確証バイアス」の結果、ネットでは偏った情報に目が行きがち
実は、ネットでの情報は、自分の考えを肯定する情報に目が行きがちで、自分の考えを否定するような情報は無視してしまう傾向があります。
ネット上では「見たいもの」が優先的に表示される「フィルターバブル」
「フィルターバブル」とは、ネット利用者個人の検索履歴やクリック履歴を分析し学習することで、個々のユーザーが見たいであろうと推測される情報が優先的に表示され、自身の考え方や価値観の「バブル(泡)」の中に孤立する情報環境を指します。
検索の表示される順位も、サービスの基準や個人の閲覧履歴データなどによって変わることがあり、表示順が上位であるほど情報が正確とは限りません。同じキーワードで調べたりしても、自分とほかの人とでは表示される結果の順番が違う場合があります。
SNSで発信すると似た意見が返ってくる「エコーチェンバー」
「エコーチェンバー」とは、ソーシャルメディアを利用する際、自分と似た興味関心をもつユーザーをフォローする結果、意見をSNSで発信すると自分と似た意見が返ってくる状況。閉じた小部屋で音が反響する物理現象に例えた言葉です。
インターネット上のある一つの意見が大きな流れになる「サイバーカスケード」
米国の法学者サンスティーンはネット上の情報収集において、同じ思考や主義を持つ者同士をつなげやすいという特徴から、「サイバーカスケード」という現象があると指摘。
「カスケード」とは、階段状に水が流れ落ちていく滝のことであり、人々がインターネット上のある一つの意見に流されていき、それが最終的には大きな流れとなることを「サイバーカスケード」と称している。
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■ ネット情報を見るときに心がけたいこと
■ ~寛容性、情報の多様性、不用意に拡散させない
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実は、下記に素晴らしい内容がありましたので紹介します。
フェイクニュースを生むのは“情報の偏り”? SNS時代のネットに潜む危険を大学教員に聞いた|LINK@TOYO|東洋大学
https://www.toyo.ac.jp/link-toyo/life/fakenews/
この記事の中で、東洋大学 社会学部 小笠原 盛浩 教授が、情報過多の時代において心掛けておく大切な3つのポイントとして以下をあげています。
① 寛容性をもつこと
② 自らの殻を破り、情報の多様性を増やすこと
③ 不用意に拡散させないこと
この記事の中で、小笠原 盛浩 教授は以下のように説明しています。
① 寛容性をもつこと
情報を嘘か本当かだけで判断するのではなく、「自分には合わなかったが、良いと感じた人もいる」と反対の意見も受け入れる余地を自分の中に常にもつ。
② 自らの殻を破り、情報の多様性を増やすこと
「J-POPが好きだけど、たまにはK-POPも聞いてみようかな」など、まずは身近なところから少しずつ行動パターンを意図的に変えていく。
③ 不用意に拡散させないこと
自分が事実だと信じた情報でも、虚偽と受け止める人がいるかもしれないことを一度立ち止まって考える。フェイクニュースの拡散に加担するのではなく、拡散に歯止めをかける。
「 寛容性」、ネットの情報で自分の考えや価値観と合わない記事や人の言葉は、内容を詳しく見ずに先入観で排除しがちです。自分と合わなくても、また自分が嫌いな人の言葉でも、最初から排除せず、そうかこんな考えもあるんだという気持ちで見ることが大事ですね。
「多様性」、実は音楽配信サービスで音楽を聴いていて、自分があまり好みで無い人の演奏を聴いて、いや、これはいい音楽と驚いたことがありました。私自身、かなり好き嫌いがはっきりしている方ですが、これでは、新しい発見はありませんね。
「不用意に拡散させない」、これは、最近、私も注意している点です。Twitterを利用していると、ついつい良いと思った記事を拡散してしまいがちです。拡散させようとしている情報が真実なのか、誤解をされないかなど、慎重に考えたうえで、拡散させないとダメですね。