2022.3.18 WPA3記述追加。2018年6月に発表されましたが、一般家庭用の無線LANルーターでは、まだ実装は少ないようです。
無線LAN(Wi-Fi)は、ラジオやTVと同じように電波で通信しているので、無線LAN(Wi-Fi)の通信内容を盗聴するのは、ネットワーク分析ツール(ソフト)があれば簡単にできます。
そのため、昔から、無線LAN(Wi-Fi)には、簡単に解読できないよう、暗号化の動きがありました。
これまで、暗号化方式として、古い順に、「WEP」「WPA」「WPA2」「WPA3」というのが考えられています。
ただ、古い暗号化方式「WEP」は、解読するのが可能なので、“暗号化無し”と同じです。この場合も、ネットワーク分析ツールと、WEP暗号化復号ツールがあれば解読できます。
また、「WEP」の次に考えられた「WPA」の暗号化方式も、安全とは言えません。
暗号化方式を使う時は、新しい「WPA2」、「WPA3」方式を利用することが大事ですね。
(注)WPA3は2018年6月にWi-Fiアライアンスが発表。WPA2にはKRACKsと呼ばれる深刻な脆弱性があり、KRACKsを無効化し、さらに、誤ったパスワードによるログイン試行が一定回数続くと、ログインをブロックする機能が追加。
まとめると、安全性から言えば、以下のようになります。出来るだけ「WPA3」、「WPA2」方式を利用して下さい。
WPA3 ◎ WPA2 ◯
WPA △
WEP ✕
■WEP・・・昔の方式で弱い暗号方式、簡単に解読される危険性有り
暗号化に使用される鍵は、パスワードを変更しない限り同じものが使用され、鍵が固定であるため、簡単に解読される危険性を持っています。
■WPA・・・WEPの強化版となる暗号化方式、ただし弱い暗号方式
セキュリティを高めるため、TKIPと呼ばれる暗号化プロトコルが採用されました。WEPよりは安全ですが、セキュリティレベルは少々不安です。
■WPA2・・・WPA2は WPAの後継規格で、強固な暗号「AES」を採用
WPAの改良版であるWPA2では、より強力な暗号技術であるAESを採用しているため、WEPやWPAの欠点が全て解消されています。但し、WPA2にはKRACKsと呼ばれる脆弱性があります。
■WPA3・・・WPA2の強化版
WPA2の脆弱性KRACKsを無効化し、さらに、誤ったパスワードによるログイン試行が一定回数続くと、ログインをブロックする機能が追加。WPA3は、2つのモードを提供。
WPA3-Personal — 個人・家庭向け、WPA3-Enterprise — 企業・組織向け
WPA3-Enterpriseでは、192ビットの暗号化方式「CNSA」を実装し、さらなるセキュリティ強化が実現されています。
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WEP、WPA、WPA2、WPA3の詳細
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WEP
①暗号化プロトコル(WEP)、暗号化アルゴリズム(RC4)・・・×(利用してはダメ)
WPA
①暗号化プロトコル(TKIP)、暗号化アルゴリズム(RC4)・・・△(お勧めしない)
②暗号化プロトコル(CCMP)、暗号化アルゴリズム(AES)・・・〇(WPA2が無い場合はこれ)
WPA2
①暗号化プロトコル(TKIP)、暗号化アルゴリズム(RC4)・・・△(お勧めしない)
②暗号化プロトコル(CCMP)、暗号化アルゴリズム(AES)・・・〇(お勧め)
WPA3
①暗号化プロトコル(CCMP)、暗号化アルゴリズム(AES/CNSA)・・・◎(一番お勧め)
《補足》TKIP、AESとは
■TKIP・・・TKIPは Temporal Key Integrity と呼ばれ、秘密鍵を一定パケット数毎に更新し、セキュリティ強度を高めた方式。しかし、暗号化がRC4なので、解析ツールによってセキュリティが破られるおそれがあります。
■CCMP・・・AESによるデータ本体の強力な暗号化と共に、メッセージ認証(送り手が本物であることの確認)を組み合わせ、高い安全性を実現。実際の製品の仕様などでは暗号化方式の名前をとって「AES」と記載されることも多い。
■AES・・・AESは Advanced Encryption Standard と呼ばれ、アメリカ政府も採用している暗号化で、解読が不可能とされています。現在、最も信頼できる暗号化技術とされています。