ネット被害・加害を防ぐために 子ども達と語りたい「ネット活用のルール」

青少年のインターネット利用環境実態調査によると、以下になっており、子ども達のインターネット活用の活発さがわかります。

 ①青少年の9割がインターネットを利用し、1日平均の利用時間は約3時間

 ②低年齢層の6割近くがインターネットを利用し、1日平均の利用時間は約1.5時間

(注)満10歳から満17歳を「青少年」、0歳から満9歳を「低年齢層の子供」、

 

なお、2020年にSNSに起因する事犯の被害を受けた18歳未満の子どもは1,819人(警察庁の調査結果)。

被害者は中高生が9割近くにのぼり、利用したSNSは「Twitter」が全体の35.3%を占めたそうです。これ以外にも、ネットを活用した”いじめ”などの問題も起きていますね。

 

『ネット活用について、親子でよく話し合って、家庭でルールを作りましょう』とよく言われます。

でも、家庭でルールを作るというより、まずは”親子でスマホやインターネットについてよく話し合う”ことが大事ですね。

 

そこで、自分の娘達に、日頃から教えていること(これから教えたいこと)を考えてみました。家庭や学校で、子供たちと話し合うときに、少しでも参考になれば有難いです。

 

《参考》

 令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)

 令和2年3月 内閣府

 https://www8.cao.go.jp/youth/kankyou/internet_torikumi/tyousa/r01/net-jittai/pdf/sokuhou.pdf

 

①青少年の93.2%が、インターネットを利用していると回答。
②青少年のインターネットの利用時間(1日当り)
  青少年の平均利用時間は、約182分(約3時間)
  高校生は、約248分(約4時間)

③低年齢層の子供の57.2%がインターネットを利用。
④低年齢層の子供の平均利用時間は、約85分。

 


■ 子ども達と語りたい”ネット活用のルール”


(1)  ネットは目的ではありません、生活をより便利にする手段。ネットにあまり熱中せず、まずは日常生活を大事に。

 
(2)  メールやSNSから、相手の本音や本心を知ることは難しいです。実際に会って話すと、いろんなことが分かります。

 
(3)  ネットに発信した内容は削除できません。ネットに発信する前に、相手を傷つけないか、内容は正しいかなど、もう一度考えて下さい(Rethinkの心がけ)。

 
(4)  インターネットには役立つ情報もありますが、それと同じくらい嘘の情報(フェイクニュース)もあります。事実なのか意見なのか、情報源は正しいのか、判断が難しければ、複数の情報源で確認して下さい。

 
(5)  「人に面と向かって言えないことは、インターネット上に書き込まない」ことが基本です。パソコンやスマホで相手を傷つける発言をしてはいけません。

 
(6) 個人情報(名前、自宅や学校の住所など)を公開しないで下さい。また、オンライン上でのやりとりが困ったことになったら、親か信頼できる大人へすぐに知らせて下さい。

 

(7)  スマホやパソコンでは、ウイルス対策などのセキュリティ対策が大事です。セキュリティソフトを活用しましょう。

 

(8) メール・SMSには気をつけましょう。危険なものがあり、ウイルスに感染したり、危険サイトに誘導されます。

 
(9)  インターネットには騙そうとする人がたくさんいます。知らない人に応答しないようにして下さい。

 

(10)  インターネット上の有害な情報を除外するのに便利な、「フィルタリング」というソフトやサービスがあります、活用しましょう。

 
(11) 人が作成したもの(文書や画像など)を勝手に使うと、著作権法で罰せられます。これは”情報やデータ”を盗むようなものです。

 
(12) たまには、スマホ・パソコンを全く使用しない日をつくって下さい。「ちょっと最近調子が悪いな」とか「疲れているかな」と思ったら、スマホ・パソコンから一定期間離れてリフレッシュしてください。

 

(13)  パソコンやスマホを使う時間が多いと、体にも精神的にも悪い影響があります。スマホ・パソコン以外のリラックスする時間、例えば、音楽、散歩、風呂、食事、人との交流をつくってください。

 
(14) 長時間のスマホ・パソコン作業は不健康です。1時間ごとに10~15分の休けいをとり、遠くの景色をながめたりして目を休めてください。また、健康のために、1日のスマホ・パソコンの使用時間を制限して下さい。

 
(15)  寝付きをよくし、良い睡眠をとるため、寝る前にはスマホ・パソコンを使用しないでください。

 

今回のことを考えるにあたり、以下の内容は大変参考になりました。

 

 13歳の息子へ、新しいiPhoneと使用契約書です。愛を込めて。母より - Hana.bi | Japan + YOU
 http://hana.bi/2013/01/13sai-iphonekeiyaku/

 

 娘への手紙--インターネット世代のプライバシー - ZDNet Japan
 https://japan.zdnet.com/article/35046879/

 

 子供の安全なSNS利用 | Kaspersky Daily - カスペルスキー公式ブログ
 https://blog.kaspersky.co.jp/simple-rules-kids-social/3809/

 


■ 子供がインターネットで行っていることに対する親の誤解


 [夏休み特集]子供をリスクにさらす可能性がある、親が自分につく3つのウソ :
   マカフィー株式会社 公式ブログ
 http://blogs.mcafee.jp/mcafeeblog/2015/07/3-f047.html

 
上記のブログで、最近実施されたIntel Securityの調査の結果、子供がオンラインで行なっていると親が思い込んでいることと、実際の子供たちのネットいじめやオンラインで過ごす時間にはギャップがあることがわかりました。

 
このブログでは ”親が自分たちにつく一般的な3つのウソ” という表現がありますが、これは、”子供がインターネットで行っていることに対する親の誤解”という意味です。

 

このブログで紹介されている内容を以下に簡単に紹介します。


1. オンラインでの子供の活動を信頼できる(という誤解)

オンラインの世界には、非常に賢い親にも、最も信頼できるティーンさえも予測できないような誘惑と脅威が存在します。

対策:

『子供は信頼できますが、インターネットは信頼しないでください。子供を大都市に遊びに行かせるときと同じような用心深さが必要です。』(上記のマカフィー 公式ブログより引用)


2. ネットの安全性についてならわかっている(という誤解)

テクノロジは進歩が速く、新しい誘惑も生まれます。簡単に言うと、子供はいつでも基本的なこと(歯を磨くことやごみを出すといったこと)を忘れてしまいます。ですから、日常の会話の中で親からのアドバイスが必要です。

対策:

『子供とオンラインの安全性について話し合うことは、子供に野菜を食べさせるようなものです。』(上記のマカフィー 公式ブログより引用)


3. 子供は自分よりもこのテクノロジについて知っているので大丈夫だろう(という誤解)

子供に技術的スキルがあっても、技術的な良識を持っているわけではありません。

対策:

『子供たちが今ほど親を必要としているときはありません。子供のネットでの行く先、つまりどこで誰と過ごしているのかを把握してください。』(上記のマカフィー 公式ブログより引用)

 


■ 親が知っている以上に、現実的には子供はネットで危険にさらされている

 

 深刻化する中高生のLINEいじめ、知らぬ間に「あなたも」加害者に? - まぐまぐニュース!
 http://www.mag2.com/p/news/20277

 

上記のサイトに以下の内容がありました。詳しくは上記サイトを参照下さい。

・今、中学校の7割でLINEでのトラブルが起きているのが現実です。

・アメリカの中学生の調査結果によると、12~18歳の若い年齢の人は、攻撃的なメッセージを投稿する傾向が他の世代に比べて40%も高かった。

・子供たちのグループの中で、悪口大会が始まってしまうと、どんどんエスカレートしてしまい、LINEの中だけでなく、現実の世界でもいじめが始まってしまうという危険性がある。

・まずはルールを決めることが大切。子供たちもLINEの怖いところは、理解しており、間違った方向に行かないようにとは思っています。

・親としては、変な遠慮はせず、子供とルールを決めておくことが大切です。

 


■ 中高生のネット依存、推計93万人…成績低下や居眠りも

 

厚生労働省研究班の調査結果 *調査は2017年12月~2018年2月

が以下のサイトで紹介されていました。

 

 中高生のネット依存、推計93万人…成績低下や居眠りも | リセマム

 https://resemom.jp/article/2018/09/03/46564.html

 

上記サイトに、厚生労働省研究班の調査結果が出ています。簡単にまとめると以下です。

 

調査は2017年12月~2018年2月、全国の中学校48校、高校55校の合計103校を対象に実施。中高生6万4,417人から回答を得た。

 

①病的なインターネット依存が疑われる中高生は、この5年間で倍増し、全国で93万人と推計。インターネットの使い過ぎで「成績低下」「居眠り」などの問題発生。

 

②平日のインターネット使用時間は、男女とも「2時間未満(1時間台)」が多いが、高校生になると「5時間未満(4時間台)」が増え、「5時間以上」も増加。

 

③休日の使用時間は、高校生は「5時間未満(4時間台)」がもっとも多く、ついで「5時間以上」。

 

④利用するインターネットサービスは「LINEなど(Skype、チャット、メッセンジャーを含む)」「動画サイト」「情報検索」が多く、インターネット利用に使う機器は「スマートフォン」が圧倒的に多かった。